デジタル一眼の使い方 「露出 中編」
昨日はカメラの『シャッター速度』について簡単にお話しさせて頂きました。
露出についてのお話し、という事で一度にまとめたかったのですが長文を書くのがあまり好きではないので幾つか小分けにしてお話しする事にさせて頂きます。
今回は『シャッター速度』と並び、露出や作品の雰囲気を作り出す上で重要な『絞り』についてお話し致します。
※今回もカメラの構造、レンズの構造はあまり考えないで下さい。
絞り(F値)
絞りとは画像を記録するセンサーに取り込む光量を調整できます。光量が多い(明るい)ほど"開く"、光量が少ないほど"絞る"と言います。
"絞り"と"明るさ"
絞りを表す数値は一般的に"F値"と言われています。
"F値"の数字が低い(開く)ほど明るくなり、数字が大きい(絞る)ほど暗くなります。
"絞り"と"ボケ"
絞りを開くとピントの合う幅が短くなります。絞りを絞るとピントの合う幅が長くなります。
このピントの合っている部分を"被写界深度"と言います。「絞りを開くと被写界深度は浅く」なり「絞りを絞ると被写界深度は深く」なります。
これはレンズの構造上仕方のない現象です。なのでここでは「そうゆう物だ。」と理解して下さい。
絞りと被写界深度
※上の図の白い部分がピントの合っている部分です。
厳密に言うと上記の様な広がり方は間違いがあるのですが基本的にはこの様になります。
絞りは基本的に"明るさ"と"被写界深度"、この二つを意識しながら調節します。
ちなみに、被写界深度、ボケの話しを全て説明すると焦点距離から撮影距離まで多岐にわたり関わってくるのでこれも今回は省きます。
「写真を撮るならボケてない方がいいのでは?」と感じる方も居るかと思います。勿論メインとなる被写体にピントが合っていなかったら話になりません。料理の写真などに多いのですが、主役となる物にピントを合わせ手前や背景をぼかしてあげる事があります。そうすると写真全体に雰囲気が出て主役をより目立たせ、目を惹きつける事が出来ます。
例1
撮影データ Tv:1/160 Av:F5.6 ISO:100
絞り 応用編
絞りについては「こんな感じか。」と理解頂けましたでしょうか。
応用編、となっていますが絞りは作品作りの上でボカしたいかボカしたくないか程度で私は考えています。今回は一般的に使われている手法を紹介します。
"パンフォーカス"という手法があります。手前にある物から遠くにある物まで、異なる距離に存在する物全てにピントが合っている様に見せる方法です。
パンフォーカスあるいはディープフォーカスとは、写真または映画の撮影において、被写界深度を深くする事によって、近くのものから遠くのものまでピントが合っているように見せる方法、またはその方法により撮影された写真・映画のこと。絞りを適切に絞ったうえで、焦点を無限遠よりも手前に調整することによって実現される。「パンフォーカス」は和製英語であり、英語では「ディープフォーカス」などと言う。
この手法で撮影したい場合は絞り(F値)を絞り焦点距離を広くします。
なるべく広角レンズを使用する & 撮影距離を伸ばすとやり易いです。(レンズの構造の話になるので割愛)
"撮影距離を伸ばす"とは、基本的には被写体から離れて撮影者、カメラが遠くへ離れ距離をかせぐ事です。
パンフォーカスは風景写真で使われる事が多いです。ただ人物写真やスナップ写真とかだと写真全体にピントが合ってしまうためイメージや主役が散漫になりがちで判りづらい写真になってしまう事があります。
例2
ボケを使った手法?をもう一つ。
前ボケです。動物の写真や人物撮影で使われる事が多いです。
あまり綺麗な前ボケではないですが例2の写真も前ボケにカウントされるのでしょうか。この様に被写体の手前に何か入れてあげると例2の様にふわっとした感じになったり、奥行きや雰囲気が出たりします。
この手法は絞りを開き焦点距離を短くします。
なるべく望遠側のレンズを使うと撮りやすいと思います。
個人的にあまり前ボケを使う様な写真は撮らないので持ち合わせがコレしかありませんでした。
疲れたので今日はここまで。次回は"ISO感度"のお話です。